そして、バトンは渡された
瀬尾まいこ(文藝春秋)
今頃、と言われてしまいますね。
映画化もされた話題作
実は積ん読となっている小説がいろいろあります。
速読でパラパラとはいかないので
少し読むのに時間がかかります。
速読できる本と精読を楽しむ本
違うワクワクを感じていこうと思います。
さすがの面白さ
母親2人、父親が3人変わっていく
というかなり変わった環境にいる少女
周囲の心配をよそに
「困った、全然不幸ではないのだ」
と始まります。
新しい親は
「未来が2倍になる
明日も2つになった
自分より大事な明日ができた」
と本気で少女を愛します。
本気で思っていたからこその
必死の大人のウソもありますが
少女は大人になり淡々と受け止めます。
生きている親たちがみな参列する結婚式
またバトンが渡される
皆が必死に育てようと
愛を注いでいる
そんな力を発していた少女は
淡々と目の前の出来事をそのままに受け止めて
「今」を生きていました。
本当に幸せなのは
誰かと共に喜びを紡いでいる時
そして、自分の知らない
大きな未来へとバトンを渡す時
「楽しい時も笑い
しんどい時もそれなりに笑っていよう」
人生はだれかに
バトンを渡しながら進んでいる
そんな情景が目の前に広がっていきます。
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