【ドクター永井の皮膚科】なにそれ？基底細胞がん

基底細胞がんとは？

YouTube　No110

◆基底細胞がん
皮膚がんのひとつですが、転移することはなく、命にかかわることはない癌です。
しかし、その場所では大きくなり、破壊力があります。
骨、鼻や眼を破壊することもありますので、早く気づいて治療したいものです。

◆典型的な症状
黒い辺縁にポツポツとしたものがあります。
中央に潰瘍を伴うことも多いです。
顔の中心部に好発します。 体幹にできるのは少し形が違う、表在型が多いです。
よくみると黒い点があります。

◆基底細胞とは？
表皮には細胞がつまっていますが、一番下の層にならんでいるのが基底細胞です。
これに似た細胞が増えていることからこう呼ばれます。

◆診断
見た目で疑いますが、ダーモスコピーでみると特徴的な所見がみえます。
確定には病理組織検査、皮膚生検を行います。

◆治療
第一選択は外科切除ですが、ある程度離して切除が必要です。
局所で再発することはあるので経過をみていきます。 切除したところをうめるために、
局所皮弁などの方法が必要になることもあります。
なるべく小さいうちに治療したいものです。

◆鑑別
悪性黒色腫、色素性母斑　脂漏性角化症などがあります。
黒いので悪性黒色腫との鑑別に注意が必要です。
特徴を知って早く専門医を受診、紹介しましょう。

◆まとめ
・後発年齢は40−60歳
・転移はしないので命にかかわることはないですが、浸潤性に増殖して骨や目を破壊することがあります。
・顔面正中部に多いですが、体幹にできるタイプもあります。
・肉眼的な皮疹よりも広範囲に腫瘍が広がっていることがあるので
残っていると局所再発する可能性はあります。
・黒色の結節であり、時に悪性黒色腫との鑑別が難しいこともあります。

命にかかわるわけではないですが、顔によくできて、切除したあとを埋めるのが難しくなるので
小さいうちに受診してほしい癌です。

▼▼

《著書》これからの医療　

〜５つの「患者力」であなたと医療を守る！

永井弥生 著 （ごま書房新社）

https://amzn.to/2Sctb8d