オロナインH軟膏は何に効く?
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多くの家庭にあると思われますが、1953年の発売なので60年以上たちます。
いろいろ効くと書かれていますが、そんなに何でも効くわけはないのではと思いますよね。
しかし、なぜ、これだけ長い間愛用されているのでしょうか。
【適応】 こういうものに使ってよいと書いてあります。
1.ニキビ
2.はたけ、ひび、あかぎれ
3.しもやけ
4.やけど(軽いもおのお)キズ
5.水虫(ジュクジュクしていないもの)、タムシ、インキン、シラクモ
この番号と順番は、病気の種類でわけてみたものです。
【成分】 クロルヘキシジングルコン酸、これは消毒の成分です。
消毒の使い方については考え方は変わってきていて、
手術の皮膚の切開のときなどは消毒しますが、
皮膚をむけてしまったようなキズには今は消毒はしません。(昔はしていました)
洗うので十分です。
添加物がいろいろあります。サラッとしたクリームで塗りやすいです。
軟膏には主成分と基剤があって、基剤の作用も重要です。
マクロゴールというのは浸出液を吸い取る効果があります。
オリブ油はかさぶたがこびりつくふやかして取るときに使うこともあります。
ワセリンはなんにでも使える無難なものです。 基剤としてもよく使われます。
保湿に使ったり、ちょっとしたキズを乾かさないいだけでも治るような成分ははいっています。
基剤の部分だけでも、保護されるとよくなるものはよくなるのです。
【適応疾患の詳細】
適応となる疾患をみていきます。 病気の名前は同じでも、症状や程度はひとそれぞれ
使うクスリも違います。
原因と治療が明らかなものはその治療を行わないと治りません。
・ニキビ
あかくはれているものには効かない
少しあれているくらいなら なにかクリームを塗るだけでもよいかもしれませんが、
はっきりしたニキビには効かないし、使わないほうがよいでしょう。
・はたけ
これは単純性粃糠疹(ひこうしん)というものです。
赤くなる手前くらいの軽い湿疹です。プロペトの処方など軽い治療でよいのです。
ちょっとしたカサカサに保湿を塗って保護して良くなるということです。
・ひび、あかぎれ
手荒れのイメージですね。亀裂はひどくなってきれたものです。
その前に保護するという意味ではよいでしょう。クリーム状で使うやすいです。
・しもやけ 皮膚の保護にはよいかも
・やけど
軽いものはどこまで?と難しいですね。翌日も水疱にならなければ1度の熱傷です。
次の日に水疱になることもあるのです。明らかなキズには適しません。
キズと一言でまとめてしまってはいけません。
ほおっておいても治るくらいのやけどならよいかもしれません。
・水虫・タムシ・しらくも・いんきん
いずれも真菌(白癬菌)の感染症です。 抗真菌剤を使わないと治りません。
カサカサを抑えるだけならできるかもしれませんが根本的な治療ではありません。
【まとめ】
・消毒の成分の効果は?ワセリンなどの成分で軽いものは治る
・おおもとの原因があればその治療をしないと治らない、あくまで一時的なものとしての使用 ・軽いものでカサカサを抑える程度 きず、化膿したもの適さない。
・適応にはいろいろありますが、書いてある疾患名は同じでも症状ははいろいろです。
こういう病気のどういう症状に使って良いよいのか違います。
・あくまで軽い状態での一時的な治療であり、根治的ではありません。
かぶれたり、合わなければすぐやめましょう。
軽い状態のものは上手にコントロールすることも可能かもしれません。
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〜5つの「患者力」であなたと医療を守る!
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