どこでも傾聴(後編) 2021.1.14

どこでも傾聴(後編)  No61

後編
6.中立的に
7.怒り以外の感情はキーワード
8.事実をひらく
9.無言も対話
10.怒りを聴く
11.事実と感情を分ける

 

6.中立的に
医療メディエーションは中立的な第三者である医療メディエーターが
対立する両者の間の対話をとりもつ対話モデルです。
医療メディエーターは全体を見渡す立ち位置にいます。

自分が対応するときに、もうひとりの自分を持つようなつもりで行う
セルフメディエーション

事実はこうだ、この人はこう思っている、こんな感情を持っているんだ、
と少し引いた視点で全体をみます。
日頃からできると自分も楽になります。
激しいことを言われてもしっかり受けつつ自分の小人を持つようなイメージです。

中立的な対応とは?
「あの先生はひどい」と言われた医療者の例
「そんなことないですよ」と言ってしまうと、
その患者さんからはあちらの味方と思われて
信頼されません。
「それはひどいですね」 
同意するとその場は良いが中立ではありません。

そもそもそんな話をされるということは
自分は信頼されているということ

共感というのは「そう思っているのですね」ということです。
同意は一緒になってしまうこと。

噂話、陰口、そんなことが多い人や組織はいやですね。
同意するのと共感は違います。

「そうなんですね。そう思っているんですね」
本当に正しいのか客観的にみていきます。
そのまま信じない、中立的な視点をもって
みていくというのはいつでも必要です。

7.怒り以外の感情はキーワード
怒り以外の感情はポイントです。
医療ミスで患者さんが怒っている、医療者が萎縮してしまって
しっかり聴けていないという動画があります。
「人の薬が体に入ったんだ、何かあったらどうしてくれるんだ」
医学的には問題ない、という説明をすぐに返してしまって
怒りがヒートアップしてしまいます。
怒りの他に大丈夫なのか心配だという不安の感情がみえたとき
「心配ですよね」という言葉をかけて
感情が落ち着いてから医学的な説明をすべきです。
怒りの言葉の中に別の感情が見えたときにはそこにしっかり対応です。

8.事実をひらく
間違えてしまったエラー
確認した確認しない、というやりとりになってどうにもならないとき
間にはいっているメディエーターが
「その時の様子をお話していただけますか?」と声をかけます。
その時の場面を話し出し、看護師も話す。
場面が見えるような話が思い出されます。
その場を拓くような質問によって話の展開がかわってきます。
傾しながら質問も投げかけて話を拓きます。

確認したんですか? はい、いいえで答える質問でなく
拓く質問が場を変えていきます。

9無言も対話
無言も対話です。
考えている時は待つのも大事。
何か言わなくてはと思うのは自分頭、自分中心の聴き方になっています。

10 怒りを聴く
怒りを聴くときは感情をうけながらそう思っているんだと認めながら
嫌だと思ってしまうと聴いてくれる人と思ってもらえません。

”起こりだしたら前のめり” 
しっかり聴いているといろいろな話がでてきます。
怒りは二次的な感情 その奥にはいろいろな感情があります。
不安が積もると怒りになります。
怒りを聴いていると後悔や期待など別の感情があるのです。

11事実と感情を分ける
客観的に聴く、事実と感情を分けることが大事です。

医療の現場は厳しいのです。
対話は双方向、患者さんも話を聴く姿勢が必要です。
自分の情報を伝えながらも聞く姿勢
素敵な患者さんが増えると医療者も力をもらいます。

どんな場でも同じ、だれでも意識してほしいことです。

 

【社会でも同じ〜 参考書籍】
その聴き方では部下は動きません (岩松正史:朝日新聞出版)

グチ活(仁科雅朋:日本経済出版)

【コンフリクト・マネジメントのバイブル】
◆医療メディエーション(和田仁孝、中西淑美:シーニュ社)

 

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