地球星人
村田沙耶香(新潮社)
「コンビニ人間」で芥川賞の著者。
佐藤優氏の本「危ない読書」の中でも
取り上げられた1冊だけあって
どうしてこんなふうに人を捉え
表現できるのかと驚嘆です。
地球は人間を作る「工場」
私はこの中で2種類の道具だ
一つはお勉強を頑張って
働く道具になること
もう一つは女の子を頑張って
この街のための生殖器になること
みな、工場の中で洗脳され従っている
「私」は洗脳されなかった宇宙人
「私」は自分を責めてきた大人を
自分を守るために
幽体離脱の魔法を使って殺してしまった
この星で生きるには
「工場」から排除されないように
社会に貢献しているように
演じ続けなければならない
同じように洗脳されなかった男性を夫として
形だけの結婚生活
地球星人を演じていたが
工場の一部であることをサボっていると
「使者」が来て連れ戻される
どうして人は社会の駒として
働かなければならないのか
どうして男女は対になって
生殖しなければならないのか
それらを怠ると責められるのか
洗脳されたほうが楽
皆が暮らす仮想現実の世界で
笑って暮らしていける
驚愕の結末ですが
常識ではありえない展開が
現実と結びつく
私たちはだれもが
「宇宙人の目」を持っているのではないか
「宇宙人」として自分や社会を客観視している
それが強烈な言葉とストーリーで重なっていく
強烈なインパクトの1冊です。
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