《読書ブログ》バカと無知

バカと無知
橘玲(新潮社)

さすがの著者の本
言えないことを言いまくる
キレの良さで圧倒的に売れています。

「言ってはいけない」も大ヒットでしたが
「きれいごと社会」の残酷な真実
売れるのも納得です。

映画「ジョーカー」や
安倍元首相の犯人の話から
「社会的制約」という大きな問題

ネットでの誹謗中傷
正義は最大の娯楽
噂話は自分より上位のものを
ひきずりおろす
下位のものを蔑んで
自分より目立たせないという
正義を紛れ込ませると
自分の行為を正当化させる

キャンセルカルチャー
過去を暴いてキャンセルさせる
スマホをいじるだけで人を
引きずり下ろす快感

リベラル化という名のもとに
誰もが自分らしくという
利害があちこちで衝突し
生きづらさが増す

「バカ」の問題は
自分がバカであることに気づかないこと

「知らないことを知らない」
二重の無知

バカを排除する以外
バカに引きずられない方法はない

自尊心は原因でなく結果である
自尊心は勘違い力
安定性が大事

自分のことを「魅力的」
と思っている人は幸福度が高い

偏見をなくそう、という教育が
偏見を生む
差別はなぜあるのか
人種、民族、宗教、身分などの
「しるし」を読み取ろうとする
集団ではなく一人ひとりを
みるべきだが
それがユートピアなのかはわからない

トラウマやPTSD体験とその治療
すべての記憶はにせもの
脳には記憶は保存されない
記憶のある種の流れ
思い出すたびに書き換えられていく

様々なデータも用いての
納得のいくことも多い
「言ってはいけない」と称する
内容も含めて
さすがの切込みです。

そんな見方ができるなあと
少し客観視しながら
視点の転換も大事です。