ちょっと堅いのですが
新聞のコラムに掲載の内容からです。
主要国では最下位
男女格差の大きさを国別に比較した
世界経済フォーラム(WEF)による
「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」2019年版
2019年12月17日に発表されました。
日本は153カ国中121位
昨年よりもさらに低下し主要7カ国では最下位。
毎年、日本が低い順位にとどまる主な理由は
経済と政治の分野のスコアが著しく低位であることが
大きいとされています。
女性医師の増加
医療界における女性医師の増加は顕著です。
今や3割、4割は当たり前。
今でこそ大分進みましたが
10年ほど前は
出産育児でフルタイムの勤務を離れる
女性医師への対策の遅れもあり
医師不足、医師偏在の原因としても
クローズアップされるようになりました。
私は大学病院勤務時代の2009年から
所属学会、大学病院等において女性医師支援
男女共同参画事業に携わりました。
当初、女性医師支援といわれていましたが
これは女性が育児をするものと
決めつけた言葉ではないか、
女性だけのことを考えれば良いのか
という意見もありました。
現在では多くの組織において、
「女性」対応ではなく男女協働、キャリア支援
といった名称に変わっています。
大学病院において
短時間勤務の制度を男性も利用できるようにという案をだし
2010年には一度は却下されましたが
2015年には認められ
ひとつの大きな改革となりました。
意見を伝える力を
また、単に働き続けられれば
良いということではあありません。
大学においても上位職の女性の数が少ないことが
問題とされました。
すなわち、組織の方向性を決定する場に
女性の意見が反映されないということです。
男性の中に女性が1人、2人の状況では、
男性社会を気にしての活動になってしまいます。
一般には、ある程度の数、
3割以上に達してようやく
女性視点から違う方向をみた方針、政策が
提案できるようになるとされます。
表層の対応に終わらないように
都内の大学で女子医学生入試差別問題が発覚、
世間を驚かせたのは記憶に新しいですね。
実際の医療現場では当直勤務から
翌日の通常勤務、長時間手術、緊急呼び出し対応等々
対応できなければ医療現場が成り立たないという実情はあります。
とはいっても、堂々と入試時の差別というのは
見過ごされることはできない。
2014年、勤務していた大学病院における医療事故
数年間に渡って起こっていたことが、
なぜわからなかったのかと外部からは厳しく問われました。
患者さんやご家族に共感する声は
かき消された?
言ってはいけないもの
やむを得ないものと
考えてしまっていた?
閉鎖的な組織構造の問題も指摘されました。
現場は大変で、女性が増えるのは困る、
入試の操作をというのは表層の問題への対応である。
古い閉鎖的な体制に終始していては
変化に合わせた本質の問題への改善がなされません。
女性を増やせだけではダメですが
女性の意見を伝える場は必要。
女性もその意識が必要。
医師の働き方改革につながる
医療の世界が社会から遅れないように
女性の活躍を含めた「医師の」働き方改革が進むことは
長期的にみた患者さんへの利益
社会への貢献に繋がると考えます。
医療界も社会の変化に合わせた進化
患者さんとなる立場の方々との協働が必要です。
医師は特別な人とは思わずに
社会からの視点を伝えてほしいと思います。
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