終末期の医療コンフリクト:急変時どうしますか?

先日掲載された
透析中止問題のコンフリクト
(紛争・対立・不安・葛藤など)に関するコラムは
主にインタレストにを理解する重要性について
書きました。

インタレストとは

発せられている言葉に対して
実は隠れている
深層の想い、本当の価値感。

インタレストは言葉と異なることがある
そして変化する可能性がある

それを認識しておく必要性があります。

もう一つ、コンフリクトの重要な点は
認知の齟齬(ずれ)

生じた事実に対して
医療者側と患者側では
捉え方にずれがあるということです。

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署名のコンフリクト
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父親が具合が悪くなってから
病院が変わるたびに
急変時は延命治療は希望しない
という同意書にサインしました。

もう寿命だしねえと
わかっている母親でしたが

でも何もしないっていう書類にサイン?
決められない、と言います。

状況はわかっている私が
全部サインするのです。

先日、とてもしっかりした
同年代の女性とそんな話になり

彼女も、延命治療をしないという同意書に
母親は決められないと言って
サインができない
自分が全部している

と全く同じことを話していました。

急変時どうしますか?

高齢の方が具合が悪く入院
延命処置を希望するかどうか
家族に尋ねます。

または具合が悪くなっていけば
どこまでの治療をするのかという
話が出ます。

希望しなければ

急変時に延命処置は希望しません
という同意書にサインをします。

医師はカルテにしっかり
記載します。

医療者は

もし人工呼吸器を必要とするような状態になったら
つけたとしても延命処置にしかならない、

という医学的状況、
見通しをわかって話すのですが

「何もしない」
という言葉の解釈は
ご家族の中でもバラバラなことが
あります。

まだ元気なのに
話もしているのに
何もしないっていうこと?

自分が治療しなくていいとサインをするのは
自分が死なせていいと言ったみたいで
そんなことは決められない。

希望しないって冷たく思われるのでは
病院ってこんなこと聞かれるの?

などなど、
少なからずのコンフリクト、

初めてこういう場面を経験する人は
感じるわけです。

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誰にでも起こること
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厚労省の終末期ガイドラインに
最重要事項として
書かれているのは

本人の意思(推定意思を含む)
わからなければ家族の意思

決定できない
意見が一致しないとき、
病院では倫理委員会を開催して
相談します。

日頃こんなことを言っていた
こんな考えだった

という家族の話も
とても重要なこと。

でもたいていはわからない。

こういう場面は誰にでも起こりうます。
自分が考えていなければ
残る家族が葛藤を抱えて
困ることになるかもしれません。

一人ひとりの心の終活と
それを伝えること

誰もが考える必要がありますね。

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