カルテ開示というと堅苦しいのですが・・

薬を処方するとき
一緒に電子カルテをみながら確認すると
間違いの予防になります。

外来診察していると
記録している電子カルテを
のぞき込むようにみている
患者さんがいます。

何も気にしない患者さんもいます。

すんなりと決まった治療をするのであれば
簡単な記録にしてしまうことも
多いのですが

丁寧に説明が必要な場合とか
こうした方が良いのではという医療者の考えと
患者さんの想いが一致しないときとか
患者さんが不満を持っていそうなときとか
方針を提示しても
なかなか決められないとか

医療者はそういった過程を
少し意識して丁寧に
カルテに記録しています。

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「カルテ開示」なるもの
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さて、医療者はご存じのことですが

病院では「カルテ開示」なることが
できるのをご存じでしょうか。

自分や家族のカルテを見たいなあと
思ったことはないでしょうか。

ただ、「カルテ開示」となると

いろいろ手続きして
コピーが1枚いくらで
カルテの全部ってかなりの量になったり
いらない資料もたくさんついてきたり

ちょっと堅苦しいことになります。

結果が悪くて
ちょっと嫌な雰囲気のときに
「カルテ開示請求」があると
医療者は嫌な雰囲気になります。

コピーしてもらった
自分のカルテを
どうするかは患者さんの自由です。

訴えることも考えたい
弁護士に相談したい

ということきも

まずはカルテです。

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カルテをみたいのですが・・
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カルテ開示

というと
ちょっと堅苦しいこと
特別なこと

と言うのが
医療者にとっても
患者さんにとっても
一般的なイメージです。

安全管理者だったときに

「患者さんから
カルテのこの部分をみたい
記録だけでよいと
希望されているんですけど」

と言う問い合わせを
医療者からいただくことがありました。

大学病院では

「診療録の一部を必要に応じて
コピーして渡すことは
インフォームドコンセントの
一環として行って良い」

という内容が

病院でかなり前に作成されていた
診療情報関連の規定に書かれていたので

「プリントして渡してよいのですよー」
と答えていました。

おかげで、正式なカルテ開示でなくても
必要な部分をコピーして
お渡しできたりして

混乱した医療事故対応の中で
多くの患者さんご家族の対応には
大変助かったのでした。

この規定

かなり前に慎重に
検討して作られたようなのですが
結構先進的と思ったのです。

あまり知られていないので
その都度必要時に
問い合わせがきていましたが・・。

すべての病院で
こういったことが決められているのか
わかりません。

「カルテがみたいんです」
「ではカルテ開示の手続きをどうぞ」

というやりとりも多いのかもしれません。

味気ないなあ
事務的だなあと思うのです。

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カルテは患者さんのもの
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2016年に公表された外部調査委員会による
群馬大学病院の医療事故調査報告書に

カルテを患者さんが
いつでもみられるような体制を作るようにと
強く書かれました。

事故調査報告書が公表されて
1年後に報告会を開くことが
決まっていましたが
この部分は対応が遅れていました。

カルテは患者さんが
いつでも見られるように
積極的に進めましょう

と言う話を出したところ

「医療者は
患者さんにみせてもよいという
つもりでは書いていない」
「積極的にすすめることはない」
「医療者の教育をしてからだ!」

「カルテ開示されれば
全部みられるんですよ!」

「それは特別な場合だ!」

と議論紛糾。

カルテ開示って相当特別なことと
思われているのだなあと
改めて感じました。

いつ起こるかわからないことは
いつ起こっても良いように対処しておくべきです。

結局、カルテのことは進められなくて
1年後の報告会では調査委員のおひとりから
この点だけすごく怒られたのでした。

その後、私が大学を辞めてから
カルテ記載に関する院内の教育、啓発を進め
自分のカルテを見られるシステム
が作られました。

カルテは患者さんのもの

もっと気軽にみられて良いと思うし

医療者の連絡ノートではないし
主観的感情的な意見を書く場でもない。

いつ何がおこるかわからない
医療者はいつ患者さんがみても良いように
書くのは当然ではと思うのです。

真剣に自分のことを考えて
患者さんが自分のカルテをみたら

「あれっ?
これどういうこと?
そうじゃないんだけど・・」

と思うことが
あるかもしれません。

実際、いろいろ経験してきました。

日々確認して
小さな食い違いは
すぐに対話で解消できるくらいの
信頼関係が当然となったら良いのでは
ないのかなあと思うのです。

「ちょっと自分のカルテをみたいんです」

という患者さんが増えたら
どの病院でも気軽にお見せできる体制を
考えるでしょうか。

せっかくできている規則、システム
どのように活用するかは
「人」次第です。

自分のことに一番関心があるのは当然

患者さんと一緒に進める医療として
必要なことと思うのです。

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自分のこと、気になりませんか?

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