こういうふうに年をとりたいなあと
ずっと
とある膠原病の治療で
皮膚科に通院されている
患者さんがいます。
膠原病といっても
そんなに進行しないタイプで
指の血液循環が悪いので
薬を処方しているくらいです。
もう90歳の女性
病気は寿命には何ら影響しませんでした。
いらっしゃるたびに
思わず看護師さんと
会話してしまうのです。
あんなふうに年をとりたいですねと。。
歩くのは少し不自由なので
小さなカートを押してきますが
品があるというか
身なりもきれいに
上品な話し方が素敵です。
挨拶をしながらはいってきて
状況を的確に説明し
余っているから
数を調節してほしい薬なども
きちんとメモしてきます。
医療者の時間を奪わないようにと
気を使って準備をされてくる
人間としての品格
知性を感じる話し方
いつも感心していました。
きれいな方が良いですよね・・
その方がある日
「ちょっと足の爪が
気になるんですが・・」
ととても遠慮がちに
おっしゃいました。
みると
足の親指の爪が分厚くなっている。。
見た目と検査で判断しますが
爪の水虫ではなくて
厚爪甲症
その名と通り
原因不明で
爪が厚くなってしまった状態。
多くは加齢によるものです。
そんなお話をすると
「見せるものでもないですしね」
「痛くもないし」
「もうすぐあの世へ行きますし・・」
いや、まだまだです
と思わず言ってしまいました。
病気というほどでもなく
治療は難しいのと
限られた時間の中で
やれることとやらないことは
線引きしなければならず
こういう爪は
治療はできないので
とお話してきました。
もちろん痛くて困るようなことがあれば
少し薄く削るとか
最低限のことはやります。
でもなんだか
この方の爪は
少しでもきれいにしてあげたいなあと
巻爪の治療で使っている
ドリルで削れば少し良いかなあと
妙にやる気になったのでした。。
時間もかかるので
いずれは保険外治療で設定して
できるようにしておこうかなあと
思いつつ止まっていた治療ですが
進める気になりました。
やっていただけるんですか
と遠慮がちに嬉しそうな笑顔も
魅力的で
年齢は関係ないですね。
ホントに
こうあらねば
と思ったのでした。
モノも人も医療資源は限られます
医療資源は限られています
モノも人も時間も・・
なんでもできるわけではないのです。
人間ですから
気持ちは動きます。
この人になんとかしてあげたいなあと
思わせたほうが自分にも得です。
医療者に感謝
という声をたくさん聴きますが
遠いところでの感謝は良いから
よき患者さんであってほしいと
大変なときこそ思うのです。
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