外から見ていると気づく
今はオンラインで様々な講演会が聞けるので
勉強しやすい環境になりました。
先日、アトピー性皮膚炎の新しい薬に関する講演で
どんなふうに患者さんに説明するか
という話題のものがありました。
近年、これまでの治療で治りにくかった
アトピー性皮膚炎の方に
新しい系統の薬が使われるようになっています。
非常に効果が高いのです。
これまでのかゆみが嘘のようだと
とても喜ばれています。
注射のものと飲み薬のものがあるのですが
感染症などの副作用の若干の心配と
一番の問題は値段が高いことですね。
そんな問題を踏まえて
お二人の医師が、オンライン講演会で
実際に普段どんなふうに説明しているか
ということを実演していました。
患者役の方は気楽かもしれませんが
医師として説明する方は緊張していたかもしれません。
ついつい気になってしまうのが言葉です。
「副作用とかいろいろかいてありますが」
という患者さんの言葉に
「ご心配でしょうね。何でもひと通り書いてあるのでね。」
と共感の返しは良いのですが
「タンジュンヘルペスとかいろいろあって・・」
「ユーガイジショー(有害事象)としては・・」
その言葉、サラッとすぎるとわからない
とついつい思ってしまいました。
傍から見ていると気になるのですよね。
ひらがなで話す、という本がありましたが
耳で聞いてわからないと理解できないものです。
第三者の立ち位置だと気づきます。
自分でも、もうひとりの自分をもって
今の言葉、わからないなとか気づくようにしないと
日常診療の流れで一気に
「こちら言葉」で話しているかもしれません。
自分もついつい慌ただしいと
一気に話してるかもしれませんが
気をつけないといけないですね。
病名とか医学用語とかは書きながら話します。
そのメモを患者さんがおいていきそうになったら、
持っていっていただきます。
家に帰って違うことを伝えられると
トラブルのもとです。
でも一生懸命考えてくれているなという
雰囲気は伝わります。
「言ったこと」と「伝わったこと」は
よく食い違いますが
一生懸命な雰囲気が伝わると信頼につながります。
ぜひこの薬を使いなさい、という説得ではなくて、
さりげに繰り返し、その人にとってのメリットを伝えていき
自分でもしっかり資料をみていただき
使ってみようと決心するのは患者さん自身なのです。
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《著書》これからの医療
〜5つの「患者力」であなたと医療を守る!
永井弥生 著 (ごま書房新社)
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ドクター永井の皮膚科&コンフリクトマネジメント&ピアノ&読書
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