奇跡の人 ~読書ブログ

原田マハさんは
「本日はお日柄もよく」を初めて読んで以来の大ファンです。

タイトルのとおり、ヘレンケラーの日本版のようなお話です。
ヘレンケラーとサリバン先生の物語が、明治の津軽で展開されるのです。

ヘレンケラーのお話はもちろん子供のころには読んだきりで、
今この本を読むと、この方のアートのような描写故もありますが、
出来事の、言葉の一つ一つが染み入るようにはいってきます。

サリバン先生のような熱い先生の想いが、
三重苦の少女に伝わり、周囲との軋轢をはねのける。
根底にあるのは、絶対にやる!という想い。

そしてフィクションだからこその、当時の障碍者や女性差別への問題提起、
決められた枠を意思をもって壊すという奇跡、
言葉をもって伝えたい思いを相手に伝えるという奇跡を、
現代の、自分の問題に置き換えて身近に感じさせる。

大人になって、本からの感じ方が変わるのは当然ですが、
変わったのは自分、
変えたのはこれまでの経験、学びという財産。

仕事は誰かのためになっている。
力を引き出すための運命の出会いは常にどこかで起こっている。
気づけるか、行動できるか、次はどうしたらよいのか考える。

経験が感じ方を変える、
自分が変わると受け止め方が変わる、
過去が変わる。

子供の頃に読んだ本を、偉人の伝記を、改めて読んでみたくなりました。