水ぶくれをどうするか?情報は様々に解釈される

水ぶくれが・・

高齢者施設に診療のために
うかがうことがあるのですが

先日、皮膚に水疱(水ぶくれ)がどんどんできて・・
というご依頼が続きました。

水疱性類天疱瘡、という
高齢者に水ぶくれがどんどんできてくる
自己免疫性水疱症
というのがあるのです。

そんなに珍しくなく、時々みます。
高齢者ばかりみていたら
当然たまには出会うだろうなという感じです。

治療にはステロイドの内服を使うのですが
皮疹の広がりがひどいと
たくさん使わないとおさまらないのです。

初期で出始めたくらいで診断がつけば
少しの量ですみます。

何が問題かと言うと

ステロイドの内服は
いろいろと副作用があり、
特に感染に弱くなります。

ある程度の期間は
飲まなければならないので
量が多くなると
感染症などのリスクが高まります。

病気自体で命に関わるものでは
通常ありませんが
高齢者の場合
こういった副作用で
命に関わることもあります。

高齢者に多い
最初は赤くてかゆい
その上に自然に水ぶくれができてくる

早く受診して! 受診させて!
としっかり啓発したいのがこの病気です。

その情報は正しいか?

病気自体の治療は
ステロイド内服がきけば
新しい水疱ができなくなるのですが

とりあえずできてしまっている水疱は
処置が必要です。

この水疱どうするんですか?

という質問は必ず受けます。

この病気に限らず
やけどでも水疱になります。

「どうするんですか?」
「破ってはいけないのですよね?」

本当によく聞かれます。

破ってはいけないと
上からそっとフィルムで保護していたり
患者さんが独断で
ずっとそのままにしていたやけどとか

いろいろみました。

水疱は破ってはいけない
と思っている人は多いのですが
正しく理解されている方は少ないです。

水疱の膜を無理やりとってしまうのは
よろしくないですが

そのまま膨らんだ状態に
しておくものでもありません。

そもそもなぜ
破ってはいけないと
いわれるのでしょうか。

正しくは
1.水疱に穴を開けて液体の内容はだす
2.水疱の膜を下の面と密着させる
3.数日して治ってこないものは水疱の膜をとってしまう

水疱の膜をつけておくと
傷のドレッシング代わりの保護になるから
最初は破り取ってしまわないのです。
痛いですしね。。

でも水ぶくれのまま膨らませておいても
役に立ちません。

水疱と言っても全部同じではないのです。
数日で治るものはそのまま治るし
ちょっと深めの傷になっているものは
そのままでは治らない。

なので4−5日しても水疱の膜の下の
傷が治っていないものは

膜をとってしまって傷を出して
軟膏などで処置をしていくように
変更しないと
傷が汚くなって化膿してしまったり
そのままでは治らなくなります。

水疱を破らない、
というのは正しくないのです。

いろいろと情報が独り歩きしたり
ざっくり捉えられて
間違って解釈されていることがあります。

なぜ?と理由を考える
そして状態をみて考える、判断する

その情報は本当に正しいか
なぜそうするのか
客観視しながら考えないといけないですね。

詳しくはこちらの動画で解説しています。

 

▼水疱をつぶす?つぶさない?
https://youtu.be/PLG3A31hJvo

興味ありましたらこちらもどうぞ。
▼高齢者の水ぶくれ、水疱性類天疱瘡
https://youtu.be/y7w_194sIHw

 

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