1分間集中法の読書ブログで、集中には2通りある、
会話はレベルIIの集中力が必要と述べました。
ここでいうレベルIIは全方位型の集中です。
勉強のときのような1点集中でなく、
相手の関心、背景、本当の想いなど、
あらゆることに関心を持つ聴き方です。
「聴いてくれる人」とは
話し手が「聴いてくれる人と思った、または感じた人」のことです。
自分が聴いているつもりでも
そう思ってもらえなければ不十分なのです。
コンフリクトマネジメントでは
聴き方の4つのレベルと紹介しています。
1つ目は自分にベクトルを向けている聴き方。
クレームを言われて、そうではないのに、
どうやってわかってもらおうか、と考えながら聞いている。
怒っている人が明らかに間違っていることを言っていたり、
こちらの話も聞いてほしいと思ったりすることもあるかもしれません。
でも、そんな状態で聴いていると、相手にとってあなたが「話を聴いてくれる人」とは思ってもらえません。
聴いてくれる人でないと信頼できないのです。
日常でも、上手に聴いてくれる人には、ついいろいろ話してしまうのではないでしょうか。
2つ目は一生懸命受け止める聴き方。
私は○○の立場だから聴かなければならない、
と思って一生懸命聞きます。責任感が強い。
でもやっぱり、自分はこういう立場だから、
とベクトルは自分向きです。そして自分が辛くなってしまったりします。
3つ目はしっかり共感する聴き方。
そうですね、としっかり受け止めて寄り添って聴く。
相手にベクトルは向けており、受け止めてもらっただけで
話し手の気持ちが落ちつくこともあります。
共感してのカウンセリングであればよいのかもしれません。
しかし、多くのトラブルや事故など、
起こった事象に伴う怒りに対しては、それだけれはしばしば不十分です。
それでどうしてくれるんだ!と言われて狼狽してしまったりするかもしれません。
4つ目が相手の関心、背景、本当の想いなどまで関心をもって聴く聴き方です。
寄り添って聴きつつ、相手に関心を持つと、
さらに深く知ろうと質問も出るはずです。
具体的に話を拓けるはずです。
聴くときには非言語で伝わる印象も大事です。
この聴き方をすることで、みえていなかった事実が対話の場に出たり、
気づいていなかった想いに自分で気づくことがあります。
自分で納得しないと解決しないのです。
語っていると自分が気づきます。
対立する当事者の間で対話を促進する
医療メディエーターはこの聴き方ができなければなりません。
思わぬ背景や想いを知って、対応が変わったり、
コミュニケーションが良くなることは日常にもたくさんあります。
相手が怒っていてもクレームを言っていても、
4つ目の聴き方ができると、
怒っている人の話を聴くのが苦痛ではなくなります。
誰もがメディエーターを自分に持てるとよいのです。
これをセルフメディエーションと言います。
自分を客観的にみるもう一人の自分を置く。
コンフリクトの対応も日常の続きです。