はじめて医療メディエーションに出会ってから10年になります。
ボタンの掛け違えで紛争になる。
伝えたつもりだけど伝わっていない。
「もったいない」と思ったのが始まりです。
はじめて自分がセミナーに参加してロールプレイを行ったときのこと。
私は医師役、患者さん役は別の病院の事務の若い男性でした。
検査の合併症で不信に思っている患者さん役の方に説明しました。
怒りを強く表出してはいないけど、説明を求めて病院にくること自体、
かなり勇気のいることなのです。
患者さん役の方は、いつも病院でクレーム対応などしているそうで、
なかなかリアルに演じておりました。
メディエーター役もおりましたが、私、きちんと説明できるから大丈夫、
と思っていました。
丁寧にあいさつして、とても丁寧な口調で、しっかり説明しました。
よーくわかっていただいた、と自分では思いました。
終わったあと、お互いにフィードバックをします。
これ、貴重です。
なかなか、本当の現場で、患者さんに「今の話はどうでしたか?」と評価は聞けないし、
聞いても本当のことは言わないかもしれません。
患者さん役の方、
「よく説明してくれるのはわかるんですが・・・なんだか言いくるめられた気がする」
えっ、 ガーン。。。
今思うと、ずっと自分が話していました。
自分が何を伝えるか、ばかりでした。
完全に自分にベクトルが向いていました。
2日間のセミナーで自分が持ち帰ったのは、この気づきと、
「相手に関心を持って聴く」
ということでした。
逆も面白いです。
医師が患者役で本気で怒る、
看護師さんが医師役で一生懸命説明する。
「説明されるほど頭にくる!」
という気づきは貴重です。
気持ちに寄り添い、共感しながら、一緒に考えていくことが必要なのです。
聴いて、話をしてもらわないと、本当に思っていることはわからない。
間にはいる第三者、医療メディエーターの立ち位置からみると、
きっと感じるのだと思います。
といってもそれだけでは問題は解決しません。これは最低限の入口。
本当に問題の患者さんもいます。対応をわかって行ったうえで、毅然と、です。
続きはまた次回に。